(半蔵門だより)

メディア・コンパス

メディア・コンパス3「情報とフォルム-1 」

メディアは、所詮情報生産者への奉仕者である。結果的にいえば、有効な情報の再生産に奉仕することがメディアの存在目的である。テレビも新聞もその他のメディアも、この域を超えるものではない。超えているように見えることがあるとすれば、情報に与えられた流通のためのフォルムがあるからである。

出版社が、ある種の専門出版社であり得るのは、その専門情報の生産者を独占できているからであり、そのメディアにふさわしい情報流通のフォルムを創造しえているからである。しかし、専門出版社の流通フォルムは他のメディアによって追求されたものではないから、専門書固有のフォルムを出ることはない。

今日、専門分野の仮説が成功した場合、この仮説の一般化は避けられない。会社においても、大学においても、研究室においても、その成果の問われるのは当然であるから、専門分野の研究者は否応なく仮説の一般化を求められるのである。

仮説の一般化は、当然一般的なメディアによって形作られなければならない。例えば、専門的な仮説が活字メディアによって追求されたものだとすれば、映像、テレビによって説明されるのがより一般的である。

映像・テレビによって解説される場合、仮説は単純化した図式、あるいは図示によって視覚的に説明される。したがって情報流通のフォルムは、そのメディアに対応したものとなり、仮説はさらに多面的に追求されることになる。

つまり、この仮説はテレビであれば視覚的に、映像であればさらに動的に追求されるフォルムになるわけである。

(2009年8月20日 引地正)

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